とある事情で、職場で気軽にいじれる Linux 環境がほしくなりました。
デスクトップ環境は不要で、各種サーバとか開発環境とかがほしい。
いちおう遊びに使っている物理サーバはあるのですが、部署内の NIS サーバとかも
やってたりするサーバなので、新しい RPM パッケージの導入とはか遠慮してます。
というわけで、Node.js とか新しい perl とか python3 とかを使いたいときは、
nodebrew とか perlbrew とか使ってローカルにインストールしてしのぐ日々・・・・。
で、ふと思ったのですが、Virtual PC にテキトーなディストリビューションを
入れれば使えるんじゃない、と。ホスト側が Windows7 Pro 32bit (mem 4GB) というのが
一抹の不安ですが、Virtual PC 自体は自宅でも使っているので、いけそうな気が。
ちょっとググってみると、
・Ubuntu server は 64bit (x86_64) しかサポートしてないっぽ
・CentOS はみんな使ってて面白くないし、基本 x86_64 のみっぽ
・Fedora はよくわからん
・Debian は自宅 VPS でも使っていてサポートしているアーキテクチャも多い
というわけで、Debian をターゲットに決定!
さて、Debian 公式サイトからインストーライメージ DVD (debian-7.6.0-i386-netinst.iso) を
ダウンロードするところから始まります。もちろん x86_64 なんて贅沢を言わずに "-i386" です。
Virtual PC でメモリ量(ちなみに 1GB)とか設定して、ISO イメージをマウントして、
インストール開始。とりあえずあっさり最後までインストールは進んで再起動。
しかし、GRUB 画面でどちらを選んでも(通常起動 or Recovery mode) panic するだけ・・・。
失敗です。
気を取り直して Debian Live DVD を試してみることに!
すると、起動時の GRUB 画面で "-686-pae" の他に "-486" というカーネルも選べるようになってて、
"-486" を選ぶとあっさり起動してくれました。
というわけで、Virtual PC は PAE (Physical Address Extension) に未対応っぽいです。
もちろん Virtual PC そのものが動いている計算機の CPU は対応しているんですけどね。
仕方ないので、"-486" なカーネルをインストールしなきゃダメなことがわかりました。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、本日の本題である
「"-486" カーネルの Debian を Virtual PC に インストール」
について説明します。
■■■ インストール手順 ■■■
まず、Virtual PC 側は仮想 HDD は可変サイズにしました。めんどうなので。
また、インストールメディアはネットインストールのものを選びましたが他意は無く、
フツーの3枚組の DVD でもインストールできるんじゃないでしょーか(未確認)。
1. インストールメディアをマウントして Virtual PC を起動!
2. 最初のメニューで "Advanced options" の "Rescue mode" を選択して進める。
3. 途中で「パーティションが無いよ」と怒られるが、気にせず先に進む。
4. "Execute a shell in the installer environment" を選択。
5. 途中で「ファイルシステムが無いよ」と怒られるが、気にせず先に進む。
6. Rescue shell のプロンプトまで進んだら、apt-install コマンドを実行する。
~ # apt-install linux-image-3.2.0-4-486
※先頭の "~ #
" はプロンプトです("apt-install" 以降を入力してください)
7. 画面がリセットされ、最下行にプロンプトが表示されるだけになったら、exit する。
~ # exit
8. さっきと同じメニュー画面に戻ったハズ。
9. ESC キーを押すとまたもや「パーティションが無いよ」と怒られるので、もう一度 ESC を押す。
10. "Debian installer main menu" が表示される。
11. 中央付近の "Enter rescue mode" が選択された状態になっているので、
すぐ下の "Partition disks" を選んで実行(エンターキー)。
12. あとはパーティーションを設定してそのままインストールを進める。
13. 途中で linux-image-3.2.0-4-486 がインストールされたっぽいのが見えるかも(一瞬だけです)
14. そのまま GRUB もインストールしてインストール終了。リブート。
これでブート時の GRUB 画面に "-686-pae" と "-486" と両方表示されるようになります!
すばらしい!
あとは GRUB の設定を変えて "-486" で自動起動するようにしておいてください。
# vi /etc/default/grub ← "GRUB_DEFAULT=0" を "GRUB_DEFAULT=2" に変更
# update-grub2
ちなみに、このままでは root のパスワード設定とかされていないので、
GRUB 画面でシングルユーザモード (recovery mode) を選択して起動。
# passwd
# adduser hogehoge
# exit
これで普通にログインできるようになったハズ。
ネットインストーラだと途中で設定したプロキシ情報がデフォルトで設定されているので、
足りないパッケージをどんどん aptitude で入れちゃいましょう!
■■■ 蛇足 ■■■
Debian や Ubuntu を仮想マシンにインストールする方法をググっていると、
おまじないとして「noreplace-paravirt vga=791
」の
カーネルオプションを付ける、という話がちらほら出てきます。
今回、この設定をしても症状(panic しちゃう)が変わらなかったので、
あきらめて設定するのをやめました(設定しなくても動いています)。
Debian 7.6 に上がってどっか変わったのかもしれませんね。